温泉ブログ 山と温泉のきろく

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新潟県 栃尾又温泉 宝巌堂 宿泊記

栃尾又温泉 宝巌堂

ひとつ前の記事で栃尾又温泉自在館について書いたばかりなんですが、今回は栃尾又温泉に3軒ある旅館のうちのもう一軒、宝巌堂についてです。

1年前に自在館に泊まって「すごくよいお湯だけどもうちょっと空いてるときに入りたかった!」と思っていたので、つい先日、金曜日に一泊してきました。

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自在館の旧館の裏に位置します。

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1年ぶりの栃尾又温泉は新しい共同浴場がオープンしており、入浴時間についてのルールもだいぶ変わっていましたので、さっそく記事にしてみました。
自在館の記事にも当時のルールをいろいろと書いていますが、現行ルールはこの記事のほうです。

栃尾又温泉の宿の中では宿泊費は高めだが、食事と酒と部屋にこだわりのある宿

宝巌堂は、一言で言うと、栃尾又温泉にある3軒の宿で最も値段の高い宿です。値段が高いぶん、料理が凝っている&部屋がきれいです。
また、自在館に比べれば高いとは言え、自在館と同様に休前日の料金アップはなく(ただし1人泊で大きめの部屋を使う場合、休前日のみ1000円アップ)1人泊専用の部屋もあって、良心的な価格設定だと思います。
泊まってみて、値段の高さに見合うサービスをきちんと提供している宿だなと思いました。

自在館では、行き帰りと1日1本のみですが浦佐駅から送迎バスの運行がありましたが、宝巌堂では小出駅から路線バスを利用することになります。路線バスの運賃は片道410円です。

小出駅から栃尾又温泉への路線バスは、午後だと

13時46分
15時46分
16時43分
17時53分

に栃尾又温泉に到着するのですが、宝巌堂に宿泊する場合、13時46分のバスで到着しても、すぐにチェックインできるように、チェックイン時間が13時45分からになっています。ありがたいですね。

【風呂】★★★★ ぬる湯の共同浴場が新設され、満足度がアップ!

栃尾又温泉には3軒の旅館があり、どこの旅館も大浴場は持たずに、宿泊客は「うえの湯」「したの湯」という2つの共同浴場に入りに行く、というスタイルなのですが、2015年の秋頃?に、新しい共同浴場「おくの湯」が増えました。

このため、男湯と女湯の交代のタイミングについても、以前のような時間交代制ではなく、1日おきに

「うえの湯」と「したの湯」を利用できる日
「おくの湯」を利用できる日

が交互に回ってくる、というルールに変わりました。

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1泊すれば、すべてのお風呂を楽しめるということになります。

こんな感じで、その日がどちらのお風呂に入れる日なのかを記したカレンダーが、部屋に置いてありました。
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私が宿泊した日は、チェックインした日が「うえの湯」「したの湯」に入れる日で、チェックアウト日が「おくの湯」に入れる日でした。
宝巌堂では、路線バスの到着時間にあわせて13時45分からチェックイン可能なので、14時過ぎから23時まで、2つの共同浴場をたっぷり楽しめてよかったです!

今回は、金曜日から土曜日にかけての宿泊だったため、浴室で1人になる時間もけっこうありました。

まず下の湯へ。
宝巌堂の裏口でサンダルを借りて外に出ると、雨が降っても濡れずに移動できるよう、階段に屋根がついています。
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階段を下りきるとしたの湯の入り口が。
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ちゃんと入り口まで屋根がついています。

本日はしたの湯は女湯である旨が、入り口ののれんでわかります。
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長い階段を下りていきます。約80段だそう。
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この階段、ひんやりとしていて湿気が多く、なんだか洞窟を歩いているような気分にさせられます。

床が少ししめっていたり、雨漏りがあるのかタオルを敷いてあるところもありました。
このあたりが、昨年「したの湯がなくなるかも」と言われていた原因なのかもしれません。設備の老朽化はそれなりにあるように思いました。

階段を下りきると脱衣所。
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脱衣かごと扇風機。

洗面コーナーは1つ。ドライヤーが置かれています。
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したの湯の主浴槽。
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湯口にはコップが置いてあり、飲泉できます。
37度のぬるめの源泉がかけ流されています。

浴槽内には段差があり、長湯するのに便利です。
気がつくと2時間ぐらい入っていました。

洗い場はカランが1つと石けんのみ。
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側には小さな加温浴槽があり、体を洗ったり、上がり湯に使うことができます。

したの湯にはシャワーがなく、洗い場のスペースもかなり狭いので、頭を洗ったりする際はうえの湯を使うことになります。

 

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うえの湯は別の建物内にあります。
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手前がうえの湯。奥のほうが親切されたおくの湯です。

うえの湯の脱衣所。
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やや狭めですが、空いていたので問題なし。
ただ、換気扇は回っているというのに脱衣所はとても湿度が高く、ドライヤーを使ってもいっこうに髪が乾きませんw

うえの湯の洗い場。3つです。
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シャワー、リンスインシャンプー、ボディソープがあります。

うえの湯の浴槽。
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左側が広い主浴槽。右側の小さいのが寝湯。手前が加温浴槽です。
主浴槽と寝湯は37度の源泉かけ流しで、長湯できます。

うえの湯は、したの湯に比べるとタイル張りで趣がないなどと言われていましたが、寝湯もあり、窓には網戸がかかっていて外の空気を入れることもできるので、空いていればこちらでのんびりするのも良いと思います。
大抵の人は、うえの湯は体を洗いに来るだけで、あまり長湯しないので。

うえの湯には、源泉分析書や源泉の使用状況も貼ってありました。
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翌日、朝はおくの湯です。

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新しくできただけあって、脱衣所、浴室共にとてもきれいです。

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脱衣所は、脱衣カゴと棚があるだけのシンプルな作りです。

洗面台が一つ。
清潔ですが、週末などは混み合いそうですね。

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うえの湯したの湯同様、脱衣所にはドライヤーのみでアメニティなどは何もないので、持参する必要があります。
ただ、うえの湯の脱衣所はかなり湿気がこもる感じがあって、髪の毛がなかなか乾かなくて困ったのですが、おくの湯の脱衣所は換気はよかったです。
頭を洗うならおくの湯のほうがいいかな~。


おくの湯の浴室です。
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新しいのですが、浴槽や天井の雰囲気はしたの湯に似せて作られていました。
浴槽の構成はうえの湯と同じで、段差のある主浴槽、寝湯、加温浴槽でした。

主浴槽は広々としています。

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左が加温浴槽で、右が寝湯です。

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洗い場。

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シャワーなども新しくて使いやすいです。アメニティはうえの湯と同様にボディシャンプーとリンスインシャンプーと固形せっけんです。


深夜に入浴できないのは残念ですが、新しい共同浴場ができて以前より便利になったと思います。

【食事】★★★★★ 野菜たっぷりの料理で大満足!お酒の種類も多くてうれしい

宝巌堂の特徴とも言える、野菜をたっぷり使ったお料理、堪能してきました。
2泊以上だと、料理少なめの湯治プランも選択できるのですが、1泊なので基本のおまかせプラン(18000円)となります。
食前酒+野菜小品7品+魚料理2品+揚げ物1品+肉料理1品+ご飯セット+デザートの全14品とのこと。
そんなに食べられないという方のために「肉料理」「揚げ物」「焼き魚」「生もの(刺身)」の中から品数を削る「おこのみプラン」というのもできるそうなのですが(1品削ると-1080円とのこと)とりあえず堪能したかったのでおまかせプランにしました。

2人泊以上だと食事処での食事になるそうなのですが、1人泊だと部屋食になります。
時間は6時か6時30分からの選択制で、時間になるとお膳を部屋まで運んできてくれます。

夕食開始時に「これからお部屋に伺います」という電話がかかってくるのですが、その際、食前酒とは別にお酒のサービスがあると言われます。素敵!

しかも、生ビールの小グラスか、この宿のおすすめらしい地元のお酒「緑川」の純米酒・吟醸酒・純米吟醸酒のいずれかを選択できるのです。うれしい!!
お酒好きなので、お酒のところしか聞こえていなかったのですが、飲めない方のためにソフトドリンクのサービスもあったのかもしれません。。。

最初に運ばれてきたお膳。
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お品書きと枝豆、食前酒の梅酒と、電話で選んだ緑川の純米吟醸です。

こちらも最初に運ばれてきたお膳です。
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右上から時計回りに
夏野菜のトマト煮
カリフラワーのだしマリネ
たたききゅうり
2種の揚げインゲンツナソース
おくらとゴーヤとみょうが梅
どれもとてもさわやかな味付けで、おいしい。
こんなに夏野菜をいろいろな種類食べる機会、なかなかないですね。。。

野菜をつまんでいるうちにサービスのお酒がなくなったので、日本酒を追加注文することに。。。
ドリンクメニューはこんな感じ。
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日本酒は新潟のお酒ばかり、ここで初めてみる珍しいお酒も何種類もありました。

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ビール、焼酎、ソフトドリンクもしっかりとした品揃えです。
しかも、日本酒は半合から注文できるとのこと!なんというありがたい。。。
「雪洞貯蔵 緑」を半合注文しました。

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鮎のお刺身と一緒にいただきます。グラスもかわいい。

鮎の塩焼き。
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はらわたまでおいしかったです。


お酒を追加注文。
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たぶん八海山の純米吟醸。半合で。

後半戦。揚げ物と肉料理。煮物。
本日の揚げ物。越後牛ヒレ。トマトのおひたし。
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揚げ物は、アスパラとオクラと、黄色いのは何だったかな。。。
奥の丸いやつは、梨茄子という、このあたりの特産の丸なすだそうです。

魚沼産コシヒカリ、味噌汁、つけもの。
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デザートも地元のジェラート屋さんから取り寄せたものだそう。
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ブルーベリーヨーグルトのジェラートだそうです。おいしかった。

夕食、ほとんど満点なのですがただ1点、野菜料理の味付けが、どれも酸味が強いものだったことがちょっと気になりました。
トマト、梅、マリネ、最後の煮物もトマト……という感じで。夏野菜はそういう味付けが合うし、さわやかでいいとは思うんですけども。
単純にだしの味で楽しむ料理だったり、少し甘めの味付けのものがあってもよかったかなあと思いました。

朝食は8時から。お部屋で。
8時10分ぐらいに電話が来て、お膳を運んでいただきます。

卵、焼き鮭、野菜などなど。。。
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左側の、昆布やごまを練り込んだ納豆がとてもおいしかった。

そして魚沼産コシヒカリ!夜もおいしかったですが若干お腹いっぱいだったので……朝ごはんのコシヒカリは本当においしかったです。
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お味噌汁。トマトジュース、ヨーグルト。デザートはすいか。

朝食もすばらしかったです。

【部屋】★★★★ すべての部屋の内装が異なるこだわりの宿。不満はただ1点、エアコンを使いたかった。

3階建ての建物で、2階と3階が客室。
エレベーターはないですが、全館スリッパを履かずに移動できるので、階段も苦ではなかった気がします。

床は板張りで、裸足で歩いても気持ちいいです。
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全8室で、部屋の写真と特徴は公式サイトに載っているので、予約時に希望を言うこともできます。

私は前日に「明日泊まれますか?」と電話したところ、空室が2室あったのですが、どちらにするか迷っていたら、一つの部屋のほうは日当たりがいいので、天気がいい日は暑いかも、というアドバイスをいただき、涼しいという弐の拾番に泊まることになりました。
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お部屋の全景。
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奥にはあらかじめ布団が敷いてあります。
全部屋敷いてあるわけではないですが、敷いてある部屋のほうが、上げ下ろしが必要なくてよい気が私はします。

洗面所。
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小さなドライヤーと冷水ポット、電気湯沸かしポットがありました。
保温機能はなく、使うときに都度沸かすポットなのですが、本当にすぐ沸くのでびっくりしました。

お茶菓子は2種類。

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クッキーめっちゃおいしかったです。

煎茶のほかに、ドリップコーヒーと紅茶もあります。

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足りなければフロントに伝えれば追加できますよ、とのこと。

ウォッシュレットのトイレ付き。
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浴室に行く際にタオルなどを持ち運べる籠が置いてありました。
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この籠、フロントでも売っていたんですが、けっこうかわいいです。

すばらしく居心地のいい部屋だったのですが、エアコンは使えないんですね。
部屋に「霧ヶ峰」のエアコンが付いていたので使えるのかと思いきや、リモコンが置いてなかったのです。
置き忘れかな?と思ったけど、夕食のとき激しく雨が降っていたのに窓を開けていてかなり雨音がうるさかったけどスルーだったので、たぶん置き忘れではないのでしょうw
もしかして、真夏になったら使えるのかもしれませんが。。。
網戸もきちんとしていたので、夜にたくさん虫が入ってくるようなことはないのですが、外が雨のときに窓を開けているのはうるさいし、雨が入ってきそうでちょっと躊躇してしまうんですよね。
できればエアコン、使いたいです。

共同設備について。

3階には、洗い物ができる流しがあり、共同の冷蔵庫も置いてあります。
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各部屋に冷蔵庫はありませんが、名前を書いてこちらの冷蔵庫を使うことができます。

1階の湯上がり処。
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さまざまな種類のお酒が購入できます!
ちなみに、ソフトドリンクの自動販売機は、したの湯に行く途中に自動販売機があります。自在館の建物内のような気もしますが。

湯上がり処には漫画もいくつか置いてあります。
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ただ、ラインナップはそこまで気合いは入っていません。
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島耕作シリーズがいくつか置いてありますが、けっこう巻数が飛んでいます。
貸し出し中にしては、歯抜けすぎるので、たぶんなくなってしまったんでしょうね。。。なんか悲しい。
私は「二十世紀少年」を読んでました。

館内は古民家風の内装でどこも清潔に磨き上げられており、居心地が良くて思わず長期滞在したくなるなあと思いました。

【再訪したい度】★★★★ そう頻繁に行ける値段ではないけど、いつかまた行きたい宿

本当にすばらしい宿で、特に料理は評判どおり。
お酒の種類も豊富で、飲んべえにはたまらない宿という感じがしました。

送迎はありませんが、チェックイン13時45分から、チェックアウト11時までと、バスの時間を考慮してあるのもありがたいなと。(帰りのバスは10時25分に出ます)

ぜひまた来たい!と思ったんですが、ちょっとだけ、高いような気もします。
食事を2品ぐらい減らせばいいんでしょうけどね~。なんかそれも、寂しい気がして。
以前は16000円がスタンダードなプランで、休前日料金が2000円プラスだったという話を聞いたのですが、そのぐらいが適正な気もします。休前日料金ないのはいいことなんですけど、平日に休みを取れたお得感がないという弊害もあるのですね。

あと、エアコンの問題が大きいですね。虫も多い土地ですし。。。
ぬる湯なので気温の高い季節に行きたいと思ってしまうので。
うーん、自在館に泊まったときも思ったけど、4月に来るのがちょうどいいのかもしれないですね。

あと、減点ポイントというわけではなく備忘録としてですが、アメニティ的なものはまったくないので、特に女性は、櫛を持参したほうがいいと思います。

一応、共同浴場に共同使用の櫛wが1本あるのですが、けっこう汚れていたりするので、私は使うのに抵抗ありました。
お酒や食べ物周りのサービスがあまりにも充実していたので、洗面周りのアメニティがゼロというのがちょっとアンバランスなようにも思えましたが、それがこの宿の個性なんでしょうね。